愛しいのは、当たり前のように近くにあったひとつひとつ。 取るに足らない日常の一瞬。 命の正体は、そんなもののなかにあるような気がするのです。 以上、作者のあとがきの抜粋。 私がこの絵本を買った時 先代の犬はまだ、老いてもなお元気だった けれど、読みながら涙で文字が見えなくなった。 モモの歯が 抜けた ぐらぐらと立つ足 白くなったヒゲ ぐにゃぐにゃの皮 ーー目と目があう 「モモ!モモ! へーんな、かお!」 「おいで、おいで かわいい しっぽ」 こうして書いている私の頬に涙が伝う。 別に悲しい訳ではないが この本を開くと必ず辺りがぼやけてくる。 先代の犬が死んでから時々この絵本を開くとき アルバムより鮮明に思い出が蘇ってくるのが この本の魅力だろう。 モモとの出会いと別れまでを 「かわいい しっぽ」が綴ってゆく。 きれいごとは書いてない 長年犬を愛して暮らした人達だけにしか分からない 何かがこの本の中にある。 子犬は可愛い。若い犬は力に満ちている。 でも、私は老犬が愛おしい。 積み重ねた一瞬の歴史に勝るものはない。
by mvworld
| 2004-05-01 21:51
| ☆彡 aglia
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